大学では、情報系を専攻していました。特に力を入れて学んだのは、3DCGモデリング。粘土細工を作るような感覚で、デジタル空間で立体的な形を作る作業です。ゲームやクルマに興味があり、キャラクターや車体を作ってみたくて研究に取り組んでいました。
大学卒業後は、3DCGモデラ―やアニメーターになりたかったんです。講義で学んだ基礎知識のほかに、独学でデッサンを学んだり、自分の作品を作ったりもしてみました。でも、いざ就職活動を始めて、美術大学出身の人たちの作品を見たら「到底かなわないな」と痛感して。そこで、3DCGモデラ―に近いことができそうなCADオペレーターに興味をもったことが、エンジニアの始まりです。
そんな時に見つけたのが、ビーネックステクノロジーズ。東証プライム上場企業グループの一員であることや、全国に幅広い就業先があることが、入社の決め手になりました。入社後、プロジェクトの提案をもらう中で、CADオペレーター以外にもさまざまな仕事に挑戦できるチャンスがあると知り、結果、学生時代に学んだことが活かせるシステムエンジニアの仕事にチャレンジしようと決意しました。
入社してから約5年半、一貫して大手システム開発会社でシステムエンジニアとして就業しています。私が携わっているのは、お客さま企業のECサイトをカスタマイズする業務。もともとお客さまが自社のWEBサイト上に持っているECサイトを、指定のプラットフォームに移行し、さまざまな機能を追加したり、UIを変更したりする案件が多いですね。
※UI(User Interface):ユーザがシステムやWEBサイトと対話するための手段のこと。WEBサイトにおいては、ボタンやカートのデザイン、構成などを指す。
入社後にはコーディングからスタートし、これまでにテストやレビュー、リリースも経験。6年目となる現在は、上流工程となる「要件定義」を担当しています。要件定義は、お客さまの意図をしっかりくみ取れないと適切に進めていくことができません。単にヒアリングするだけではなく、どんな条件があるのか、要件が満たせない場合はどのように対処するのかなど、システムの全体像や先を見据えた上で提案することが求められます。
また、お客さまの要望を確実に満たすことはもちろん、お客さまにとって低コストで実現できる選択肢を提案することも心掛けています。例えば開発中、当初の要件にはなかったことを追加したいと相談を受けたときも、できるだけお客さまに寄り添い、予算内で実現できる落としどころを探るようにしています。
こうしたスキルを身に付けるのは簡単なことではありませんが、先輩からもアドバイスをもらいながら、「お客さまが真に求めているものは何か」「お客さまにとっての最終的なゴールは何なのか」を強く意識し、考え続ける中で、磨くことができたと感じています。
ここまでキャリアを積み重ねて来られたのも、職場の先輩のおかげです。入社時は、プログラミング自体は大学でも学んではいたものの、仕事で求められるレベルにはほど遠い状態。入社後3カ月間は、先輩につきっきりで教えてもらいました。
基礎的なことが理解できてからは、実装したい機能のソースコードを読んでコーディングし、先輩にチェックしてもらうという流れを繰り返してきました。自分の仕事ももちながら、親身になって教えてくれる先輩には、本当にありがたい思いでいっぱいでしたね。だからこそ「先輩と同じぐらいの仕事量をこなせるようになろう」「先輩を助けられる存在に成長したい」という思いが、今に至るまでの原動力になりました。
2年目からは、テスト工程を担うように。コーディング規約に則って成果物の品質を検証する「レビュー」、さらには開発が終わったソフトウェアを本番環境に反映する「リリース」もできるようになろうと、自ら手を挙げてやらせてもらいました。入社4年目には、要件定義を含めリーダーレベルの業務ができるようになり、「困ったときは篠原さんに聞こう」と言ってもらえる場面も増えました。
レビューもリリースも、覚えることがたくさんある上、大きな責任を伴う、難易度の高い仕事です。でも、その時の自分には少しハードルが高いことでも臆せず率先してやっていけば、自分の経験になりますし、結果周りから頼りにしてもらえるようにもなります。それに、難しい作業をできる人が社内に増えれば、特定の人に作業が集中せずに安定してプロジェクトを進められて、結果的にメンバー全員が楽になります。自分のためにやっていることが、周りのためにもなるんです。
現在は、就業先の新卒社員や、派遣社員の後輩の育成にも携わっています。教えることは自分にとって向いていると感じますし、モチベーションにもつながっていますね。今後は私自身もスキルアップしつつ、「篠原さんから教わって良かった」と思ってもらえるようなエンジニアになりたいですね。