もともと、モノづくりにはあまり興味がなかったんです。ただ、自分は好き嫌いしない性格で、やってみて面白いと思ったら、とことん向き合うタイプ。この性格が今の仕事につながりました。
工業高校で情報系の分野を学んでいたこともあり、大学では情報と電気の分野を専攻していました。ラクロス部にも所属していて、ハードな毎日を送っていましたね。ところが、コロナ禍の影響で部活動は休止、授業もオンライン中心に。それを機に、趣味だったボウリングを本格的にやるようになりました。目標を立てて、それを達成するために何をすべきかを考え、練習を重ねた結果、在学中には都大会や全日本選手権大会にも出場することができました。
就職活動では、真剣に興味をもてることが見つけられるような職場を選ぼうと決めていました。職種については、これまで学んできたことや自分の性格を踏まえて、エンジニアが向いているだろうと考えていましたが、エンジニアってすごく幅が広くて。IT系をやりたいのか、それとも機械系をやりたいのか、全然わからなかったんです。
そのときに見つけたのが、ビーネックステクノロジーズ。一番の決め手は、幅広い分野の仕事を経験でき、自分のやりたいことが見つけられると感じたこと。さらに、移籍制度があったことも魅力でしたね。もし就業先の仕事と自分のやりたいことがマッチしたら、自分にできることを積極的にアウトプットしていきたい。自分だけではなく周りのために、強い思いをもってその会社のために働きたいと考えていました。私が知る限り、同じようなエンジニア派遣会社で移籍制度をうたっていたのは、当社しかなかったと思います。
入社以来、自動車を中心とした工業製品の開発を行う企業で、展示会などに出展されるコンセプトカーの電装部品の組込み開発設計に携わってきました。コンセプトカーは、未来に向けて発信していくものですから、例えば人の動きを検知してLEDを調光したり、座席の位置を自動で動かしたりと、あらゆる機能を実装します。入社時は電装部品用システムをイチから組むところからのスタートでしたが、現在はLED調光機などの制御ボックスそのものを設計してプログラミングし、実際に組み立てるところまで手掛けるようになりました。
転機となったのは、入社2年目。ある展示会に出展するコンセプトカーのプロジェクトを担当することになりました。しかも「クルマ1台分のハードウェアの制御設計をすべて君に任せる」と上司に言ってもらえたんです。スケジュールもタイトでしたし、当然初めてやることばかり。でも、本気で信頼を勝ち取るためには、絶対にやりきろうと決意しました。本当に難しいプロジェクトでしたが、やってみると面白くて、「楽しいからやめられない」という感覚が強かったですね。
どうにか納期にも間に合わせることができ、お客さまも目の前でコンセプトが形になっていくのを見て喜んでくれました。その時、「自分がやりたいことはここにあったのかもしれない」、そう強く実感しました。
そんな大きなプロジェクトに奮闘していたある日、私が自主開発として作ったLED調光機が、大手自動車メーカーに納品されることが決まりました。そのことにすごくワクワクしている上司の姿を見て、ちょっと大げさかもしれませんが、「自分はこの会社に変化のきっかけを与える存在になれるかもしれない」と少し自信が付いたんです。そこで、営業担当にも「配属先に移籍したい」という意志を伝えました。営業経由で配属先企業に希望を伝えてもらったところ、「ぜひ来ていただきたい」と回答してくださり、とても嬉しかったのを覚えています。
今もなお、多くのエンジニアと密に相談し合いながらコンセプトカーの開発に関わり、エンジニアとしての幅を広げるチャンスをたくさんいただいています。イチから何かを生み出すことは未知の連続ですが、自分が発信した言葉や行動が、新しい世界を創り出す一助となっていくのはとても楽しいですし、やりがいも感じます。
今後は、需要拡大や競合他社との差別化を図るためにも、システムの組み込みだけでなく、アプリ制作のスキルも学びたいと考えています。移籍後も自分のモットーである「諦めない挑戦心」を胸に、できることをもっと増やし、求めてくれる人たちに貢献していきたいです。