ビーネックステクノロジーズに入社した理由は、やりたいことを見つけられるかもしれないと思ったから。就職活動をしていた時は、「自分が何をしたいのか」「自分に何ができるのか」がわからなくて正直悩んでいたんです。だから、幅広い業界や職種に挑戦できる当社に興味をもちました。
現在は、自動車部品メーカーで、自動車のクラッチに使用される摩擦材の研究開発を行っています。クラッチとは、車やバイクのパーツの1つ。摩擦力によってエンジンの動力を車輪に伝える機能があり、その機能に欠かせないのが摩擦材です。摩擦材には特殊な紙が使われていて、この紙の素材を精密に分析し、製品の改良に役立てるのが私の仕事です。
具体的には、開発段階の摩擦材サンプルの品質をテストし、問題なく量産できるかをチェック、不具合がある場合はその原因究明も行っています。微細な世界を見ることができるSEM(走査電子顕微鏡)など、さまざまな機器を駆使して紙の品質状態を分析し、「紙がこんなに毛羽立っているのはなぜだろう」「ここに付着している物質が原因かもしれない」などと、データをもとに仮説を立て、原因を調べて明らかにしていく。その一連のプロセスが、面白くてたまらないんです。
自分に合う仕事を見つけるため、入社して数年は「何でも取り組んでみよう」と、さまざまな職種にチャレンジしました。自動車部品の生産準備や車両の衝突実験、品質保証など、現在の就業先に至るまでに5社で経験を積んでいます。そうして次第に、「自分は何かをつくるより、分析や解析をすることが好きであること」「時間をかけて1つのことにじっくり向き合うのが得意であること」に気付けました。
「分析や解析スキルをもっと究めていきたい」と担当営業に相談する中で提案してもらったのが、現在の就業先です。やりたいことがわからないままスタートしても、いろいろなことにチャレンジするうちに視野が広がり、技術も身に付き、チャンスをつかむことができる。ビーネックステクノロジーズは、入社時に思い描いた通りの環境でした。普段は一日中、電子顕微鏡で観察している日もあります。まだ業務に慣れないこともあり、案件が重なると忙しくなりますが、土日はしっかりと休み、大好きなゲームでリフレッシュしていますよ。
エンジニアになって10年。一番、成長したと思うのはコミュケーション力です。もともと人と話すのが大の苦手で、以前の私だったら、こんな風に皆さんに経験談をお話しすることもなかったと思います。入社して初めて、エンジニアは人と話さないことには始まらない仕事だと知り、周りにいるコミュニケーション能力の高い先輩をお手本にしながら、少しずつ自分を変えていったんです。
私が思うに、エンジニアに最も重要なコミュニケーションは「質問すること」です。現場で必要な知識は専門性が高く、ネットで調べてもわからないことがほとんど。現場の知っている人に聞くのが一番なので、わからなかったら躊躇しないで聞くこと、そして普段からいろいろな人と話して、質問しやすい関係を築いておくことを今も心掛けています。コミュニケーション力がついたおかげで、業務がスムーズに運ぶだけでなく、人との交流も広がるなど人生が楽しくなりました。エンジニアになって良かったことの1つですね。
今はとにかく摩擦材の研究や分析業務をとことん突き詰めたい。夢中になれるものに出会えて良かったですし、出会えたのはビーネックステクノロジーズの働き方ならではだと思います。