ずっと第一線で、
自動車用ECU制御開発に
携われる喜び。
大庭 努 TSUTOMU OHBA
自動車の電子制御装置「ECU」の開発に携わり、約19年。当社のお客様先からも厚い信頼を得ている大庭さん。1つの分野を突き詰めてきた彼に、自身の成長の軌跡や、エンジニアとしての原動力、今後の目標について聞きました。
仕事選びのきっかけは「専門的なスキルを身に付けたい」から。
大学時代の専攻は電気電子工学。卒業後はソフトウェア開発やプログラミングをやりたいと考え、就職活動をしていました。「さまざまな知識を吸収し、より専門的なスキルを身に付けたい」と思っていたので、次々と技術革新が起きるソフトウェアの世界は自分に向いているのではと思ったんです。
ソフトウェア開発ができる仕事を探した結果、自動車の電子制御技術である「ECU(Electronic Control Unit)」に出会いました。このECUとは、走る・曲がる・止まるといった自動車の基本的な動作から、安全性を高めるためのシステムまで、あらゆる機能を電子的に制御する重要な部品です。
ECUの開発には、自動車への理解はもちろんのこと、電子回路やプログラミングなど、幅広い分野への知識や技術が求められます。新卒で配属された部署では、わからないことも多く言葉の意味を一つひとつ調べながら、とにかくついていくのに必死でしたね。
だからこそ、成長するために大切にしてきたのが、先輩エンジニアとのコミュニケーションです。先輩に追いつきたい、もっと知りたいという思いから、わからないことがあればすぐ先輩に相談し、彼らの頭の中にある知見やノウハウを少しずつ吸収していきました。
次々に進化を遂げる自動車の「安全」技術。
私が担当する業務は、ECUの一機能である「ダイアグ」という車両故障診断ツールの仕様検討・詳細設計です。ダイアグとは、自動車に起こった異常を検知しドライバーに知らせ、故障診断や修理を効率的に実施するための大切な機能です。
具体的には、ダイアグの法規、規格要件の確認やエンジン制御などの関連部署から必要な情報を収集・分析して、現場の故障診断ツールを作成する部署との調整などを行い、ダイアグの仕様を決めていくことですね。ただ、短い開発期間の中で、他部署からさまざまな情報を収集し分析しなければなりません。納期に間に合うように開発体制を効率化したりと、常に「もっと良い方法はないかと」考え、改善しながら進めています。
長年「もっと成長したい」という思いでECUの分野に向き合い続けてきたことで、今では次世代の車両に向けた新たな機能提案もできるようになりました。次々に進化を遂げる自動車技術。その開発に携われる喜びを、自身の成長とともに強く実感しています。
原動力は「もっと成長したい」という想い。
これまでエンジニアとして、課題に対し施策検討・判断を行う「思考力」、必要な情報を迅速に入手できる「情報収集力」、関係する部署と円滑にやりとりする「折衝力」などを、長い時間をかけて経験値として積み上げてきました。
今後は、さらに業務範囲を広げていくために、当社のeラーニングを活用して「英語力」も磨いていきたい。英語力が向上すれば、英語を原文とするダイアグの法規や規格への理解が深まりますし、より良い提案ができるようになるからです。まだまだ歩みを止めることなく、エンジニアとしてもっと成長していきたいですね。
取材日:2021.11.26