研究・開発

さまざまな経験を経て、素材にとことん向き合い「研究」する面白さを知った。

2015年入社
市川 潤 JUN ICHIKAWA

《プロフィール》
大学物質生命科学科を卒業後、2015年新卒入社。さまざまな経験を積み、現在は自動車部品メーカーで摩擦材の研究・分析を担当。

入社の決め手は「自分に何が向いているのかを知ることができる」と思ったから。

就職活動をしていた時は、「自分に何ができるのか」「何に向いているのか」もわからなくて正直悩んでいたんです。だから、自動車、航空機、半導体など多種多様な業界で、多くの職種に挑戦できる当社なら、経験を積む中で自分に合うものが見つかると思いました。

入社して数年は「何でも取り組んでみよう」と、さまざまな職種にチャレンジしました。自動車部品の生産準備や車両の衝突実験、品質保証など、現在の就業先に至るまでに5社で経験を積んでいます。そうして次第に、「自分は何かをつくるより、分析や解析をすることが好きであること」「時間をかけて1つのことにじっくり向き合うのが得意であること」に気付くことができました。

挑戦し続けたからこそ見えた、素材研究の面白さ。

営業担当に、「分析や解析スキルをもっと究めていきたい」と相談する中で提案してもらったのが、現在の就業先である自動車部品メーカー。自動車のクラッチに使用される摩擦材の研究・分析業務を行っています。クラッチとは、車やバイクのパーツの1つ。摩擦力によってエンジンの動力を車輪に伝える機能があり、その機能に欠かせないのが摩擦材です。摩擦材には特殊な紙が使われていて、この紙の素材を精密に分析し、製品の改良に役立てるのが私の仕事。

具体的には、開発段階の摩擦材サンプルの品質をテストし、問題なく量産できるかをチェック、不具合がある場合はその原因究明も行っています。微細な世界を見ることができるSEM(走査電子顕微鏡)など、さまざまな機器を駆使して紙の品質状態を分析し、「紙がこんなに毛羽立っているのはなぜだろう」「ここに付着している物質が原因かもしれない」などと、データをもとに仮説を立て、原因を調べて明らかにしていく。その一連のプロセスが、面白くてたまらないんです。

コミュニケーション力で世界が広がり、人生が楽しくなった。

エンジニアになって10年。最初は、やりたいことがわからないままスタートしましたが、いろいろなことにチャレンジするうちに視野が広がり、技術も身に付き、研究や分析というやりたいことが見つかりました。ビーネックステクノロジーズは、入社時に思い描いた通りの環境だったと思います。

また自分自身一番成長したなと思うのは、コミュケーション力です。もともと人と話すのが大の苦手だったのですが、エンジニアの仕事は人と話さないことには始まらない。周りにいる高いコミュニケーション力をもつ先輩をお手本にしながら、少しずつ自分を変える努力をしました。

私がこれまで経験してきた中で言えることは、コミュニケーションでもっとも重要なことは「質問すること」。現場で必要な知識は専門性が高く、ネットで調べてもわからないことがほとんど。現場の知っている人に聞くのが一番なので、わからなかったら躊躇しないで聞く、そして普段からいろいろな人と話して、質問しやすい関係を築いておくことを今も心掛けています。コミュニケーション力がついたおかげで、業務がスムーズに運ぶだけでなく、人との交流も広がるなど人生が楽しくなりました。エンジニアになって良かったことの1つですね。

今はとにかく摩擦材の研究や分析業務をとことん突き詰めたい。夢中になれるものに出会えて良かったですし、出会えたのはビーネックステクノロジーズの働き方ならではだと思います。

取材日:2024.2.7