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- 2025/04/16
機械系エンジニアの仕事内容とは?将来性や有利な資格を紹介

機械系エンジニアの仕事ってどんな内容?将来性はあるの?
この記事では、機械系エンジニアの具体的な仕事内容をはじめ、業界の見通しやキャリアアップに役立つ資格まで、わかりやすく解説します。
これから目指したい方も、転職を考えている方も、ぜひ参考にしてください。
【目次】
- 機械系エンジニアの仕事内容とは?
- 機械系エンジニアに将来性がある理由は?
- 機械系エンジニアの転職に有利な資格は?
- 機械系エンジニアに求められる知識とスキルとは?
- 機械系エンジニアに向いている人の3つの特徴
機械系エンジニアの仕事内容とは?
機械系エンジニアは、製品づくりのあらゆる工程に関わる技術職です。身近なスマートフォンやAI技術を活用したロボット、IoTを活かした工場設備まで、幅広い業界・製品で機械設計、実験、生産技術に携われます。
企画立案・構想設計
機械系エンジニアの業務は、機械の開発・製造におけるあらゆる工程に関わります。そのスタートとなるのが「企画立案」です。
自社の開発部門やクライアントが求める機械の機能や、解決したい課題を明確にし、それを具体的な企画に落とし込んでいきます。
企画段階では、「どのような性能を持たせるか」「どんな機能が必要か」といった仕様を決定します。企画が固まると、次は実現に向けて必要な素材や技術、構造を検討する「構想設計」へと進みます。
この段階では、市場動向やユーザーニーズを調査することも多くあります。調査は通常、営業担当やコンサルタントが担いますが、エンジニアにもその内容を理解し、設計に反映する力が求められます。
場合によっては、エンジニアが直接クライアントとやり取りしながら、製造までを見据えた提案を行うこともあり、技術力と同時に高いコミュニケーション能力が必要とされます。
基本設計
構想設計で機械の全体像が決まったら、次は形状や構造をより具体化する「基本設計」に移ります。
この工程では、製品や部品ごとの機能性・安全性・耐久性・操作性などを考慮しながら、基本要件である寸法や高さなどを決めていきます。
基本設計では一般的にCADを使用し、精密で視認性の高い図面をスピーディーに作成します。製造業向けのCADには、設計に役立つ多彩な機能が備わっており、エンジニアはそれらを使いこなすスキルが求められます。
必要に応じて設計変更を行いし、何度も見直しを重ねながら完成度を高めていきます。
詳細設計
基本設計をブラッシュアップした後は、製造現場での再現性を高めるための「詳細設計」へと移ります。
この工程は、機械としての性能や品質を担保するうえで欠かせない重要なプロセスです。
ここでは、各部品の寸法公差や幾何公差を図面に明記します。
寸法公差とは、設計寸法に対してどの程度の誤差を許容できるかを示すもので、設計通りに製造されたかどうかを評価する際の重要な基準となります。
もし公差の設定が曖昧だと、正しく作られた部品であっても不良品扱いになるケースや、逆に品質が不足しているのに見逃してしまうといった問題が発生します。
そのため、詳細設計は製品の精度と品質を守るために非常に重要な工程です。ものづくりにおける“精度の要”とも言えるでしょう。
生産技術
生産技術は、製品を量産体制へと移行する前の重要なプロセスです。詳細設計が完了した後、実際の製造や量産を見据えて最終的な図面を仕上げ、使用する部品や材料、必要な製造技術などを決定していきます。
この段階では、試作機(プロトタイプ)の製作が行われます。設計通りに作っても、想定通りの性能が発揮されるとは限らないため、プロトタイプを用いて性能評価試験を実施します。試験の結果が基準を満たせば、量産体制への移行が可能となります。
また、機械系エンジニアの業務は設計にとどまらず、完成品のメンテナンスや、設置後の機械の保守・運用にも及びます。こうした現場対応でも、トラブルの原因を特定し解決するためには、設計に関する知識や視点が重要となります。
実験・評価
実験・評価は、機械が設計通りに機能するか確認する重要なプロセスです。試作機を使って、耐久性や操作性、安全性などをテストします。この段階で、製品が実際の環境でどのように動作するかを評価し、設計通りかを検証します。
テスト結果をもとに修正を加え、再評価を行います。問題があれば設計に戻り修正を加え、量産準備へと進みます。評価結果は品質保証や安全性確保に不可欠であり、記録して将来的な改善に活用されます。
機械系エンジニアに将来性がある理由は?

機械系エンジニアの将来性がある理由は以下の3つです
産業の多様性と需要の広がり
機械系エンジニアは、航空、ロボット、自動車、医療機器、エネルギーなど、さまざまな業界で必要とされます。これにより、機械系エンジニアは幅広い業種で活躍でき、需要が途切れません。
技術革新と新しい分野の成長
AI、IoT、スマートファクトリー、再生可能エネルギーなどの技術革新が進む中で、機械系エンジニアの役割はますます重要です。これらの新しい分野での設計や開発に携わるチャンスが増え、将来性があります。
人手不足と高い需要
世界的に機械系エンジニアの需要が増加している一方で、専門的な技術を持つエンジニアの供給が追いついていません。このため、機械系エンジニアは今後も高い需要が続き、人手不足の解消に貢献するため、安定した職業として将来性が期待されています。
機械系エンジニアの転職に有利な資格は?

機械系エンジニアに必須の資格はありませんが、実務や転職に有利な資格はいくつかあります。代表的なものには、技術士、機械設計技術者試験、CAD利用技術者試験などがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
- 技術士
- 機械設計技術者試験
- CAD利用技術者試験
いずれも実践的な知識やスキルが身に付くため、取得していないものがあれば検討してみてください
技術士
技術士は、日本技術士会が主催する国家資格で、機械部門に合格すれば機械系エンジニアとしての専門知識と技術が証明されます。試験は第一次(基本的なエンジニアリング知識)と第二次(実務経験7年程度が必要)の2段階で構成され、難易度は高めですが、独学や講座を利用することで合格を目指せます。
※参照:公益社団法人日本技術士会
機械設計技術者試験
機械設計技術者試験は、機械設計の技術者としてのスキルを認定する試験です。1~3級まであり、3級は基礎的な内容で初心者向け、1級は高度な技術が要求されます。2級以上の受験には一定の実務経験が必要です。公式テキストや過去問を活用して、独学で学習が可能です。
※参照:機械設計技術者試験
CAD利用技術者試験
CAD利用技術者試験は、CADスキルを証明する資格です。機械系エンジニアにとってCADは必須ツールであり、資格を持っていると就職に有利です。試験は2次元と3次元の分野があり、各レベルに応じた学習を行えば、独学で合格することも可能です。これらの資格は、機械系エンジニアのキャリアを支え、スキルを証明するための強力なツールとなります。
※参照:CAD利用技術者試験
機械系エンジニアに求められる知識とスキルとは?
機械系エンジニアとして活躍するためには、特定の知識と技術が欠かせません。設計から製造、試験まで幅広い業務に対応するためには、専門的なスキルを身につけておく必要があります。ここからは機械系エンジニアとして必要な知識やスキルについて詳しく解説します。
4力学
力学は物理学の一分野で、物体に働く力とその運動との関係を研究する学問です。機械系エンジニアにとって、機械設計や運用において非常に重要な知識となります。主に「機械力学」「流体力学」「熱力学」「材料力学」の4つの分野があり、いずれも専門的な理解が必要です。
機械力学
機械力学は、力学の基礎となる分野で、機械部品にかかる力を分析し、設計に反映させるために必要な知識です。もしこれが不十分だと、部品が破損するなどの問題が生じる可能性があります。機械力学には「静力学」と「動力学」の2つの側面があり、静止物のつり合いを扱う静力学と、動いている物体にかかる力を研究する動力学に分かれています。
流体力学
流体力学は、水や空気といった流体に関する力学的性質を研究する分野です。流体機械、例えばポンプやタービンなどの設計には、流体の流れやエネルギー変換を理解することが不可欠です。冷却装置や航空機の設計でも、流体力学の知識が必要です。
熱力学
熱力学は、熱エネルギーの移動や機械への作用を研究する学問で、自動車エンジンや発電タービンなどの設計に不可欠です。動力を利用する機械の設計において、熱エネルギーの効率的な取り扱いは重要な要素となります。
材料力学
材料力学は、機械部品にかかる負荷がどのように変形や破壊を引き起こすかを分析する分野です。使用する材料の強度や特性を理解することで、安全で耐久性のある機械設計が可能になります。材料選定や品質保証においても重要な役割を果たします。
これらの力学の知識は、機械系エンジニアとして機能的かつ効率的な設計を行うための基盤となります。
機械系エンジニアに向いている人の3つの特徴

1.ものづくりが好きな人
ものづくりが好きな人は、自分が設計した製品が完成し、世の中で役立つ姿を見ることで大きな達成感を得やすい傾向にあります。仕事にやりがいを感じやすいので、長期的なキャリアを構築できるでしょう。
また、ものづくりへの愛着は、専門知識を学ぶ意欲にもつながるので、スキルアップやキャリアアップにも直結します。
2.学習意欲の高い人
機械系エンジニアの技術は日々進化しているため、知識の継続的なアップデートが求められます。AIやIoT・ロボット・クラウドなどの分野は、技術革新のスピードが目覚ましいので、これまでの知識やスキルが通用しなくなることも珍しくありません。
そのため、新しい技術を学ぶ意欲が高く、学び続けることを苦に感じない人が機械系エンジニアに向いています。知的好奇心が旺盛な人であれば、機械工学への興味が薄くても、学ぶうちに楽しさを見出せる可能性が高いでしょう。
3.コツコツと作業を続けられる人
機械系エンジニアの仕事は、細かい作業が多く、ミリ単位での正確性や緻密さが求められるので、コツコツとした作業が得意な人に向いています。
設計業務では、細部まで気を配る必要があり、設計後も試作品の強度や性能のテスト結果によっては、基準を満たすまで何度も見直しをしなければなりません。そのため、さまざまな課題に対してもめげずにコツコツと取り組める根気強さも求められます。
細かい作業を繰り返すことが苦にならない人は、機械系エンジニアとして活躍できる可能性が高いでしょう。
4. 柔軟な発想力や想像力がある人
機械系エンジニアにとって、柔軟な発想力と豊かな想像力は非常に重要です。設計では、頭の中で製品の構造や動作をイメージし、それを設計図に落とし込む必要があります。柔軟な発想力があれば、限られた条件の中で最適な解決策を見つけ、独創的なデザインを提案できます。技術的な課題に直面した際、柔軟な思考で新しいアプローチを試みることが可能になります。
また、想像力は設計においても重要です。機械部品の動作や配置を予測し、使用シーンを頭の中で描きながら進めることで、より効率的で革新的な解決策を導けます。柔軟な発想力と想像力は、技術力を高め、より良い結果を生み出すためのカギとなります。
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機械系エンジニアは、自動車・航空機・半導体・ロボット・家電・医療用機器などの開発・設計、実験・評価、生産技術・製造技術などの業務を担当する仕事です。幅広い業務に携わることから、未経験の方でも転職しやすい傾向にあります。
また、CAD利用技術者試験や機械設計技術者試験などの資格を取得することで、未経験でも知識やスキルをアピールすることが可能です。
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